コミュニティーにも、問題点はある。ルールを守らない人は、必ずいるし、人づきあいのうっとうしさは、古今東西共通。ましてや、自我が特別強い国である。だが、「環境」の中でも、「子育て」にとって、コミュニティーは、何物にも代えがたいよさがある。コミュニティー内では、車の心配なく遊べる。子ども同士が遊ぶのに、送迎が必要ない。常に大人の目があり、安全で安心。子供にも役割があり、社会生活が身に着く、等々。
環境破壊の循環
立ち返ってみると、コミュニティーが成立する条件は、日本のマンションや、住宅街には十分ある。だが、問題は、形態ではなく、意識だろう。日本は、最も古くから、コミュニティーが自然発生し、機能している国だった。最大限の恩恵を最小限の努力で受けなければ損、という意識が大半を占める現在、コミュニティーは崩壊しつつある。その影響は社会的弱者である、子供、高齢者に一番に、「危険」という環境破壊で影響しているように思われる。
砂漠化が進み、中国の農村は、ますます水不足が深刻だ。自らは干上がりながら、北京に送った命の水を大量に使って作られた餡は、アンパンとなって、日本のスーパーに並ぶ。そうやって進んだ砂漠の黄色い砂が日本にやってくるのは、因果応報。弱者への影響は、自らにいつか還ってくる。二酸化炭素だけが、環境破壊の原因ではないが、出来ることから、少しでも行動を起こすことは、必要だと感じる。
高い技術力の日本
ダイキンは、世界唯一の、空調機器と冷媒の両方の技術を持つメーカー。日本は、環境改善に利用できる技術は世界一だろう。この技術を有効利用するか、否かは利用者次第。建築が関わる世界のエネルギー消費率は膨大で、設計デザインで、かなりの二酸化炭素排出を減少させることはできる。それには、事業主の理解が不可欠。そのためには、一般社会の意識が必要だ。空気の熱エネルギーを利用した「ヒートポンプ」は、従来の1/6の電気消費量で済む。残りの5/6は、空気中の熱を利用する。「自然冷媒ヒートポンプ給湯器(エコキュート)」にも利用されており、多少の補助金も出る。太陽光発電も、パネルや蓄電池購入など、初期投資と製造エネルギーを考えると是非もある。だが、実際に自宅の屋根で作った電気量がわかり、電気会社に売り、数字で見えると、やる気がでてくる。もっと儲けよう、と節電に精を出し始めたり、無駄に気づいたりすることの効果も大きい。
希望ある「モノづくり」を目指して
しかし、一番の省エネは、「長く使うこと」だ。ライフスタイルの変化に対応できる住まいづくりは、これからは必然だろう。そのためには、気候風土に見合った、しっかりとした構造、フレキシブルに対応できる設備、良質な素材の器づくりが肝心。
だが、今の技術は、建築のみならず、すべて「モノ」として売り、消費者が「器ごと購入」し、「廃棄」するシステムである。省エネ品、といいながら、丸ごと取り換えねばならない。9割が利用できるのに、1割のために、高額を支払い、廃棄したくない部分まで処分しなければならないモノづくりのシステムが、巡り巡って砂漠をつくる一因。すべてが、地球という「生活共同体」なのだから、よい循環にしたい。なかなか難しいが、日々の仕事や活動がその一助となれば、うれしい。
 |
 |
 |
●林昭男邸:東京都杉並区に建築。
ガレージ上部は、野菜畑。大根もとれる。 |
|
3R(リデュース、リユース、リサイクル)すべてを兼ね備えた 「土壁」。写真は、「竹小舞い」といわれる下地。 |