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快適な空気まわりの空間設計「棲む」を楽しむ
快適な空気まわりと空間設計 第2回 安らぎをもたらす空気とは
第2回
和敬清寂
快適な空気まわりと空間設計 第2回 安らぎをもたらす空気とは
快適な空気まわりと空間設計 第2回 安らぎをもたらす空気とは

テレビの影響か、リフォーム、とりわけ大改造する仕事が増えています。また、マンション一棟丸ごとの大規模修繕もいくつか手がける機会もありました。個人邸の仕事の時には気づかなかったのですが、大規模修繕のときに気になることがありました。

大規模修繕の前には、そのマンションの痛み具合を調査するためいくつかの住戸を選んでバルコニーに立ち入らせてもらうのですが、そんな時は一度に数十軒の住まいを見せてもらうことになります。この時、玄関を入って「スッキリ片付いているなァ」と感じる家がほんの2〜3軒しかないことに気づいたのです。

ひとつ目のマンションの時にはまだ気づかなかったのですが、いくつかのマンションを調査するうちに、その比率は大差は無く、そうしたことがやけに気になりだしました。人様の住まいやその暮らし振りをとやかく言うのはおこがましいことではあると思うのですが、どうも気になって仕方がありません。悪乗りを承知でもう少し悪口を書かせていただきたいと思います。

 

物にあふれた住まい

先ず感じることは、なんと物が多いことかということ。しかも、ひとつひとつのものがどういう趣味でこういうものを残しているのだろうかと思わせる物ばかりです。次に掃除はどうなっているのだろうということも気になります。

生活に便利だということでやたら買い込んでいるのであろう電化製品。コードが邪魔ッ気に這いまわっているゲーム機。しまい場所の無い健康器具なども多く見られます。しかしそれはあまり活用されている節は無く、すぐに使える状態にはありません。また、旅の思い出の土産物や何かの記念品。大小さまざまのものが、隙間を見つけては置いてあるという感じです。ペットブームも関係して室内愛玩動物のための品物も多く、実に盛りだくさんです。

 

ここに面白い本があります。題名は「地球家族―世界30か国のふつうの暮らし」《マテリアルワールド・プロジェクト代表ピーター・メンツェル著 近藤真理・杉山良男翻訳 TOTO出版》 サブタイトルにあるように“世界30か国のふつうの暮らし”を面白い切り口で紹介しています。帯には「申し訳ありませんが、家の中の物を全部、家の前に出して写真をとらせてください」と書いてあります。この本を見ると地球上にはなんと様々な暮らしがあるものだと感心すると同時に、日本人の暮らし振りの、なんとは無い違和感が沸き起こってきます。写真を見ると先に書いたような住まいの様子が目に浮かんできます。それはごくありふれた日本人の暮らし振りです。

 

地球家族―世界30か国のふつうの暮らし
日本
ドイツ
イタリア
イギリス

「地球家族―世界30か国のふつうの暮らし」
マテリアルワールド・プロジェクト代表ピーター・メンツェル著 近藤真理・杉山良男翻訳 TOTO出版

 

 

「和敬清寂」

「和敬清寂」とは、茶道で千利休の「四規」と呼ばれて大切な教えとされています。「和」互いに仲良くし、「敬」うやまいあい、「清」外面・内面ともにすがすがしくして、やがて到達する「寂」不動心の境地を目指すということです。

その教えは、広く人々の暮らしに行き渡っていたように思います。今気になっている暮らしの“外面”の事に関する「清」ということは、盆暮れの大掃除が当たり前だったし、それも何処の地域でも一斉にそうだったと記憶しています。

子供の頃、毎日雑巾がけをさせられました。午前8時を過ぎると人が訪ねてくるかもしれないので、その時まだ朝の掃除が済んでいないのは恥じだと、ただの百姓だった祖母がよく怒っていたのを思い出します。

 

自分の暮らしをかわいがろう

「住まい」を《物》に占領されてしまっていては、楽しい暮らしが出来るのでしょうか。散らかっていても汚れていても、「棲家」として便利で快適だという方もおられるかもしれませんが、それは楽しい暮らしなのでしょうか。人を呼ぶことは憚られるだでしょう。ひいては、「住まい」が単なる《ねぐら》となってしまい、「人としての楽しみ」が出来ないのではないでしょうか。

先ず、《物》を減らそう。ここが一番の勝負どころ。なかなか捨てられませんが、勇気をもって捨てましょう。“もったいない精神”に反するとあらば、人にあげるなどしてとにかく家から出してしまいましょう。そしてその規準は、古いから、汚れているから捨てるのではなく、本当に価値のある物かどうかで選びます。残った物も、飾って楽しむ物、使う物を限りなく少なく。出しっぱなしにはしない。

そして次に掃除です。物があふれていては床以外掃除をすることもままなりません。特に拭き掃除をしましょう。やり慣れないと掃除は苦痛です。まして、整理整頓されていなければ掃除は全くはかどりません。でも、きれいになれば気持ちが良くなるから楽しい気持ちにもなってくるものです。

物を減らして、楽に掃除ができるようにし、《自分の暮らし》を車や何かのコレクションのようにひとつの価値ある実態をして考えて、掃除を楽しむようにしたい。日本人のよき伝統、「和敬清寂」の心を取り戻したいものです。

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