ほんの少し前まで冷房を入れていたと思ったら、もう暖房の季節。いつまでも続く夏に押されて秋はアットいう間にどこかへ行ってしまいました。食欲の秋・スポーツの秋・読書の秋・と色々秋の楽しみ方が有りましたが、ゆっくり味わう間もなく終わってしまった気がします。活動的な夏のシーズンを終え、落ち着いて家に居て読書する秋の楽しみ方を《燈火親しむ》といいますが、程よい明るさの中で、手元を照らすスタンドの照明で読書する情景が目に浮かびます。この時の楽しみの主役はもちろん本ですが、その場を演出している照明も大事な役割を果たしています。 |
照明のための基礎知識
第一回《ホームパーティをしよう》でも触れましたが、「棲むを楽しむ」ためには照明は重要なポイントです。照明が感情面に作用する点に関し知っておいて頂きたいことがいくつか有ります。
まずはじめに《ひかり》と《明かり》です。窓から直接入ってくる太陽光線が《ひかり》。障子をとおして入ってくるのは《明かり》です。直射光と拡散光との違いです。物を見るのにはどちらも違いは無いのですが、そのときの感情面には違った作用があります。直射光は、キラキラしてまぶしい感じ、活発な感じがします。拡散光はやわらかくて暖かく、優しい感じ、穏やかな感じがします。これは、光源の違いの話です。
光源の話では、白熱灯と蛍光灯の違いが有ります。まだ細かくは、ハロゲン球やクリプトン球など色々有りますが省略します。ここで重要なことは、光源の「色温度」と言うこと。専門的にはK(カンデラ)と言う単位で表します。白熱灯は3000Kが、白い色の蛍光灯は5000Kの場合が多いです。数字が小さいほど温かみのある橙色の光になり、住まいの光源として向いていると言えます。
もう一つは、直接照明と、間接照明です。このことはもうすでによく知られていることと思います。照明器具をどう使うかと言う照明の手法の違いの話です。 |
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| 壁の隙間を使った照明・壁を照らす間接照明 |
暗さを計画すること
今までの住まいの照明は、蛍光灯中心の拡散光による明るさ重視の直接照明が主流でした。これは消費電力とまぶしさを抑えた作業向きのオフィスや工場の照明だったのです。
最近は住まいにふさわしい照明のあり方に少しずつ変わってきました。ポイントは、拡散光を使い間接照明で陰気にならないで、且つ作業には十分な明るさのある照明をする。
そして大切なことは、夜を昼のようにするのではなく夜を夜のまま暗くしておくこと、と言うことです。住まいの照明は、暗さの計画をすることです。そこに、昼とは違った人の感情世界が生まれてきます。棲む楽しみの一つです。
具体的にどうするか?
部屋を均質に扱わず明るさの分布に濃淡をつけることです。天井灯を付けるとどの壁面も明るくなってしまうのでやめる。そして一部の壁面や天井面を明るくする。当然反射のよい
白っぽい仕上げ材料にする必要がある。読書や書き物は手元を照らすスタンドを用いる。また家具の引き出しや、飾りの絵、土産物などの必要なところに応じて照明を用意する。
はじめは、慣れない感じに戸惑うかもしれないが、明るい壁面があるから陰気ではなく、かつ作業に十分な明るさが有る照明になります。
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| 明るさの分布に濃淡をつける |
自分で作る照明器具の楽しみ
今までよりもたくさんの照明器具を使うことになります。高価な器具は買っていられません。そこで自作の照明器具。と言っても何も作りません。ただ、安価な電球だけの灯具をうまく物に隠して置くだけです。
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| 安価な灯具とプラスティック板による照明 |
時には紙や布をかけて間接照明とします。(発熱していますから発火して火災にならないよう十分注意してください。)照らされた部分が照明器具です。同時に全部点ける事はしない。また、置く場所を床上や箪笥の上などにすると面白い効果が生まれてくる。高価でデザインされた照明器具を買うのではなく安価な光源を用いて照明のデザインを自分でするということです。夜の暗さが暮らしの楽しみの元になるのです。