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快適な空気まわりの空間設計「棲む」を楽しむ
快適な空気まわりと空間設計 第2回 安らぎをもたらす空気とは
第4回
四季を呼び込む
快適な空気まわりと空間設計 第2回 安らぎをもたらす空気とは
快適な空気まわりと空間設計 第2回 安らぎをもたらす空気とは

仕事場へ向かう道すがら、今年も大川(旧淀川)に飛来してきているカモメを目にしました。例年はもっと寒風の吹く中で水面に漂い、時に舞い上がって滑空しているのを記憶しています。いつもより気温が高い今年の出会いに少し違和感を覚えましたが、カモメ達は正直に季節を運んできてくれ、あらためてその日が師走の9日であるのを知らされました。こうした四季を感じさせる物は、日々の暮らしには欠かせません。毎日が同じものの繰り返しではなく、何かに向かって進んで行く道の途中であるのが感じられ、人の一生というものが、時間を一日一日と刻んで進んで行くことだと視覚で感じさせてくれます。

年の瀬の忙しさは否応でも時間が一年過ぎたことを思い知らされますが、カモメ達は時間の経過とともにこころにホッコリとした物を届けてくれます。

 

日本的インテリアの「室礼」

日本は言うまでも無く四季がはっきりとした国です。暮らしはその巡りに合せていろいろの行事を作り出し、文化として高め、そしてその装置として精神性もこめた「室礼」を作り上げてきました。

「室礼」とは平安時代に生まれた言葉で、部屋を目的に合わせて「設える=飾り付ける」ことです。一年の節目ごとに季節を盛り込んだ飾り付けをし、祖霊に感謝したり家族の健康を祈ったりまた、客人をもてなしたりしました。「室礼」の代表格は正月の飾りつけといえる、門松や注連飾り、鏡餅は「歳神様」として各家庭に戻ってくる「祖霊」に対するもので、今もその精神性を失わず各家庭で準備されています。一方、三月三日の雛飾り、五月五日の武者飾りも、多くの家庭で行われていますが、こうした日本的インテリアの「室礼」が古来持っていた精神的な意味がだんだん忘れ去られ、装飾性のみが強調され華美になって、その反動で「室礼」そのものが捨てられしまう傾向にあり、悲しいことです。そのことは住まいの作り方にも影響して、最近では床の間は言うに及ばず和室そのものが作られなくなりつつあります。

 
お正月のお招きのテーブルセッティング(青竹で彩を添える)

 

 

自分流に楽しむ「室礼」

「室礼」がすたれてゆく理由は、生活の基盤が農耕からはなれ各行事の持っていた意味合いが薄れてしまったからではないかと思います。同時に忙しい生活では、世話のやける不便な畳や障子などの日本的住まいの装置は高価なこともあって捨てられていき、舞台装置を失った「室礼」は廃れ忘れられて来たのではないでしょうか。

朝の天気予報では、いまでも「今日は《大寒》の入り」ですとか、「今日は《冬至》」ですなどのお知らせがあり、二十四節気は言葉としては今でも生きています。せっかくだから、今一度この言葉の意味を知るところから始めてみれば、楽しいのではないでしょうか。クリスマスやバレンタインだけではもったいない。もっと生活を楽しむのに役に立つはずです。「室礼」に関する本やwebサイトもたくさんあります。そんなところから少しずつ学んでゆけばよいのです。ただ、いずれも立派で高尚過ぎると怖気づく内容になっている気がします。もっと、気安く構えてゆけばよいのではないでしょうか。大切なことは二つあります。一つ目は、形だけでなく何者かに、感謝する・祈る・もてなす「心」。気持ちが必要です。それが無ければ、ただ面倒くさいだけのことになります。二つ目は、「季節感」。日本の気候風土の恵を存分に味わうことが大切だと思います。また、時の流れを感じ自分を見つめるきっかけにもなります。この二つを忘れないで、自分流に「室礼」を始めればよいのではないかと思います。

飾る方法も気楽に考えればよいと思います。ちょっとしたテクニックは“見立て”と“取り上げ”。見立てとはそのものズバリを飾るのではなく、代替品で比喩的に飾る手法。取り上げは物本来の使用目的から離れた形で利用する手法。要は、ありあわせの物をうまく、ウィットに富んだやり方で利用すればよいのです。普段も花を飾り、旅行の思い出の土産を飾ったりはしているはずです。それも楽しみでですが、「室礼」のように精神性を込めた飾りつけを、楽しみながら生活の中にもう一度取り入れたいものです。

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